台風のあと、木曜日と金曜日の朝。
自転車をこぎながら「秋」を感じた。
窓をあけたたま朝を迎えると足がすっかり冷えている。
布団は夏のまま、寝間着をかえる。
少し朝寝坊した土曜日の朝、汗をかいて目覚める。
部屋を片付けすぎて乱れている。
細かいところに手をつけてしまい、
居場所を保留されたものたちがたくさんいる。
捨てようか、捨てまいか。
奥にしまうか、手元に残すか。
奥からひっぱりだされたものの中に
「布」がある。けっこうたくさんある。
ものすごく好きなのに不得意なものが「絵」と「裁縫」。
とくに「裁縫」は本当にへたくそ。
中学生の時は巾着やペンケースを作ったりしたけれど、
あまりのへたくそさに哀しくなった。
手先が不器用で、性格ががさつで。
もうミシンは何年も触っていない。
針を持つのはボタンをつける時くらい。
それなのに、つくりもしないのに「布」を買ってしまうくせがある。
かわいい外国の柄もの、着物の、昔の、好きな色の・・・
どれもハギレ。パッチワークをするつもりはないのにハギレを集めている。
というか集まってしまっている。
こないだいは浴衣のハギレをたくさん仕入れてしまった。
1枚50円だったから、うっかり1、2枚手にとったら
「安くしとくからもう全部持っていてくれへんかあ~」と
店主に頼まれ?てしまったもんで。
去年の冬に韓国から帰ってきてからは
ポシャギ(韓国パッチワーク)のキットや絹のハギレをネットで買ったり。
パッチワークにはあんまり興味はなかったのに、なぜか韓国のポシャギに心奪われた。
色や生地の風合いが好きなんだと思う。
素敵なポシャギがたくさんあったけれど、手間ひまかかっているぶん、
私にはなかなか手がでる値段ではなく、目の保養だけして帰ってきた。
日本に帰ってきてからネット通販でよいお店を見つけ
と型紙だけだと手を出すことができたので
はりきっていくつか買ってしまったけれど、まだ何もつくってはいない。
(分けてあげた友だちはすぐに作って私にくれた)
図書館でポシャギの本を借りては返し・・・。
今回の韓国の旅で、「ソウル・仁寺洞でポシャギをつくる」ことも
目的の一つだったので、基本の縫い方を教えてもらい、
ようやくそこで一つ「福巾着」を作成。
さらに別の制作キットとノバン(老紡)とよばれるうすい布を持ち帰った。
広蔵市場では「絹」を買いたいというソーイングが得意な友人に付き添って、
「私は見るだけ・・・見るだけ・・・」と念じるように思っていたのに、
あまりの美しさに堪えきれずに買ってしまった。
サテンのような光沢のある厚絹で「タン」とよばれる種類、だと思う。
帰りにお店の人が全色入った生地見本帳をくれた。
迷って迷ってようやく決めた2色だけを買ってきたけれど、
今もその見本帳をみながら「次は~」なんて考えてしまう。
ということで、この秋の夜長は、
しまいこんでいた布たちもひっぱりだし、
「ちくちく」と楽しもうかと目論んでいる。
まずは手縫いで小さいものからつくろうと。
とりあえず、もう少し涼しくなってから。