軽い忘年会があった。
毎日のように顔を合わせて仕事をしている担当の方も含めて
美味しいお酒を飲んだ。
ふと携帯の中の画像の見せ合いになった。
みんな秘密のようで、でも実は見て欲しい画像をちらりちらり。
そのうち、「見て、見て」。
上司を殴って親指を複雑骨折したときのレントゲン写真。
愛犬とのお風呂。
ふともものアップ。
そしてみんなある瞬間に携帯を握りしめる。
「ここからはあかん!」
私の携帯のメモリは姪っ子と甥っ子の写真がほとんど。
ちょうど隣に座っていたMさんに、
待ち受け画面の甥っ子の写真を見て誰ですかと尋ねられた。
つい「甥っ子です。Mさんに少し似ていませんか?」
少し躊躇したけれど、待ち受け画面をMさんに向ける。
「昨日、一周忌だったんです」
お酒が入って気持ちが開いてしまっていた。
昨日は兄の家で甥っ子の一月早い一周忌の法要だった。
私が一緒に仕事をしているMさんは甥っ子に似ている。
まゆげがなんだかよく似ている。
笑う時に少し首を傾げる時の感じもとってもよく似ている。
愛嬌があるところも、頬のラインも少し似ている。
甥っ子が大人になったらMさんみたいな感じだったかな。ずっと少年のようで、
体格が良くて、首もしっかりとしていて、色が白いのにたくましくて。
打ち合わせの最中にいつも思っていた。
だからMさんには写真を見てもらいたかったのかな。
ふと、Mさんがおしぼりで目をぬぐっていた。
Mさんもつらい経験、今も続いているつらい気持ちをぽつりと話してくれた。
「誰にもこんなこと言ったことないんですけど、苦しくて」
Mさんとは本音で仕事ができる数少ない人。
それでもこんな話しをすることはできない。
お酒の力って不思議だと思った。
Mさんは今頃、話しをしたことを後悔しているかもしれない。
広大のことはまだ書けない。