いつものように大学へ出勤すると校門がしまっていた。
「構内立ち入り禁止」の大きな看板が立っていた。
入試は終わったはずなのに・・・。
と看板をよく読むと
はしかに感染した学生が出たための措置ということだ。
職員は通常業務だったが学内は驚くほど静かだった。
ちょうど後期試験も終わったところでもともと学生は少ない時期。
休み期間中なども学生はもちろん少ないけれど、
それでもクラブ活動などで出てきている学生たちの姿をちらほら見る。
けれど今日はほんとにひっそり。
今日も冷たい風が吹く一日だった。
総務課へ、図書館へ、ポストへ・・・と
誰もいないキャンパス内を体を縮めて小走りする。
若者たちがいないとよけいに寒々しいキャンパス。
学内を毎日キレイにしてくれるスタッフさんたちも今日はいない。
正門前でいつも交通整理をしてくれている警備員さんも今日は休業のようだ。
―と思っていたら、帰りにはいつもの場所に立っている。
制服姿ではなく、私服姿で。
いつもと変わらず「おつかれさま~」と笑顔で声をかけてくれた。