ちょっと離れたところに畑がある。
父は頻繁に作業しに行き、母はたまに収穫に行く。
そんな母が「畑に落ちた」らしい。
火曜の朝に「痛い痛い」と階段を一歩づつ降りてきた。
とにかく「畑に落ちた」らしい。
畦道からか、それともかなり段差のある道路からか??
病院が嫌いな母はシップ貼ってごまかそうとしていたから
「病院へ行け」と命令して職場に向かった。
帰ると足を引きずりながら部屋をうろうろしている母。
「病院で褒められたよ」と上機嫌だった。
「よく働いて歩いた骨やね。この年なら砕けててもおかしくないよ」
と骨の強さを褒められたとかで父も嬉しそうに報告してくる。
それは、先生が慰めてくれただけじゃないのか・・・?
その日は6枚ほどレントゲンを取ったらしい。
そこでははっきりとした異常は見つけられなかったようだけど、
「ちょっと気になることがあるから念のため」と後日MRIをとることに。
で、昨日MRIをとったら第三腰椎が折れていたらしい。
入院も勧められたが「安静」を約束して家に帰ってきた。
もう階段も上がれず降りられず・・・寝てても痛いようだ。
今日は気持ち早く家に帰ってきたが、
父は家事が得意なので私の出る幕はなかった。
しかし、それなりに役に立ったようだ。
母は「おーい、おーい」となんやかんやと呼ぶが父には聞こえない。
父の耳はずいぶんと遠くなったがこの声がもう聞こえないのか・・・。
何かと便利な一階に布団を敷いたが、
何故かいつもの二階の部屋で母は寝ている。
また、後ろ向きに四つん這いになって階段から降りてきた。
「やめてくれ~、これで落ちたらもうしらんよ」
ほんとに「安静」ができない母である。
というより自分のことは自分でしたいようだ。
動けない母親と耳の遠い父親を見ていると
しみじみと「老夫婦」だなあ~と。
二人が倒れたらちゃんと介護できるかな・・・と心配になる。
その「老夫婦」に私の老後を心配されるのが、ま、何よりつらいけど。