仕事の帰りに姫路に寄ってきた。
ちょうど日が沈む頃について小腹が減ったし、
まねきの駅そばを久しぶりに食べた。
新しいホームになってからのこぎれいになった今の店より、
前の古い小さな箱みたいな店が好きだったな。
和風だしに中華麺のようなこの駅そばを私は最初は敬遠していた。
仕事で姫路に通っていた時、同行の営業マンや上司がこれを食べてても
私は普通のうどんを頼んでいた。おいなりさんと。
食べるとあんまり違和感なく、特に感動もなく、馴染んだ。
しかし、今日はむちゃくちゃ美味しかったな。久しぶりやったし。
熱くて濃い出汁も最後までいただいた。
満足。
階段と改札の間にあったキレイになる前の明石の駅そば。
ここのたこ飯のおにぎりも好きだったな。新しくなってからは食べてないけど。
震災前の三宮駅の山側、奥まったとこにある駅そば。
「コロッケうどん」をはじめて食べたのはこの店だったっけ。
「衣が出汁に濡れるのは許されへん・・・」と友だちから完全否定されるのが哀しい。
私もはじめはそう思ったけどこれが結構美味しいんだけどな。
四国屋の「カツカレーうどん」の美味しさを認めてくれた友だちも
「コロッケうどん」の話をすると眉間にしわを寄せる。
「コロッケうどん」といえば新大阪駅の在来線と新幹線改札のあるフロアの駅そば。
ここのコロッケは出汁に合うというか、崩れ方も味も一番好き。
自動の食券機でなくレジのおばちゃんから食券を買うと、
おばちゃんが独特の節をつけてマイクを通して厨房にオーダーを伝える。
「コロッケぇ~うどん、いっぱいィ~」
結構人気メニューと思われる。
今もあのおばちゃんは健在だろうか?自動食券機になってたっけか?
駅そばでは基本的にはうどんばかり食べてる。
箸でつまむと切れるような柔な阪急そばのうどんも好きだし、
豊岡駅のような丸くて太くて重いうどんも好き。
ふにゃふにゃな白いプラスチック碗が好き。
但馬は醤油の文化がちょっと違うせいか出汁が「濃い」ように感じる。
ディーゼルの頃は車内に持ち込みオッケーだったのになあ・・・。
窓から碗を受け渡しする光景はもう見られない。
駅そばじゃないけど、西宮北口のスタジアム側の出口前。
震災前まで小さな小さな立ち食いうどん屋さんがあった。
ここの「てんぷらうどん」は、せんべいのようなかき揚げでなく、
ちゃんと海老天がのっていた(上えび天うどんやったかも)。
確かおば(あ?)ちゃんが一人で切り盛りしてたような・・・。
仕事帰りの体にはものすごく美味しくて、ちょっと幸せになれたな。
これも駅そばじゃないけど毎日使う地元の駅の下?にある「大和」。
ここの煮込まれてぐだぐだの白い「味噌煮込みうどん」と、
甘ったるい「すき焼きうどん」が病みつき・・・。
こないだ友だちが食べていた黄色いカレーうどんを注文したいのに、
つい「すき焼きうどんと鰹のおにぎり」と注文してしまう。
厨房のおじちゃんと兄ちゃん、そして客。
この店の人間模様も味のひとつ。
記憶の中にあるこの15年、同じ並びの店がどんどん入れ替わっても、
細い間口の「大和」の暖簾だけは変わらない。
今夜は姫路の駅そばを晩御飯にしてしまったから、お腹が減った・・・。