図書館の漫画棚に「家栽の人」が並んでいた。
「家裁の人」だと思ってたら「栽」だったんだ。
10巻から最終の15巻までキレイに揃っているのは珍しい。
オリジナル連載時に読んでいた作品だが最終話までは読んでなかった。
今日はやることがあったのに、つい手にとってしまった。
最終巻を最後のページをめくったときに、
閉館10分前の音楽が流れた。
はあ~。深い息が出る。
不覚にもいくつかのシーン、いくつかの台詞に涙が出た。
ええ歳の女が一人で図書館で鼻をすすりながら漫画読んでるなんて・・・最悪。
とうの昔になるけれど、連載された時には実はそんなに好きな作品ではなかった。
いい話だったけど、いい話すぎて当時の心が受けつけなかったように思う。
植物を愛する家庭裁判所の裁判官である主人公が「いい人」過ぎたから・・・。
今日は当時読んでいた話もかぶって読んだけど、なんだか印象が違った。
桑田判事は「いい人」すぎるわけではなかった・・・。
桑田判事の葛藤や言葉が素直に入ってきた。
木蓮の中で寒さをしのいで眠る虫たち。
最終話、少年が沼で小さな小さな種を握りしめた後ろ姿に涙でた。