気持ちよく寝坊して起きてみたら
お雛さんがすっかり片付けられていた3月4日の昼前、
軽くへこみながら窓をあけるとなんと気持ちのよい風と青空。
久しぶりに新しい服をおろし、春のコートを片手に二駅先の駅までぶらぶら歩く。
長く続く坂道、遠くの街や山までよく見渡せる。
強い風に冷たさはなく、梅やバラが大きく揺れている。
電車が走る下の川原でもたくさんの人がくつろいでいた。
一公演終えたのか、年若いタカラジェンヌが白やピンクの上着をひらひらさせて橋をわたってゆく。黄色い髪と白い肌が夕陽に透けて、なかなか美しかった。
春うららな気分でみた映画は「それでもボクはやっていない」。
展開も役者もうまくて映画としてとても楽しめた。
でも「なんだかなあ」とちょっと、いやだいぶんやるせない気分に。
この映画でも、被害者も証人たちも誰も「嘘」は言ってないのにどうしてこうなってしまうんかなあ。(一人嘘言ってたけど)
冤罪や、人の言葉の重さや頼りなさ。
自分が主人公の立場ならがんばれるだろうか。
自分が被害者だったら、陪審員になったら・・・。
友と讃岐うどんをすすりながらウニャウニャ。
さすが周防監督。思うツボ。
裁判のシーンは傍聴席を含めてとてもリアルだった。
大阪高等裁判所に通ったあの1年を思い出した。
いろんな意味で考えさせられる映画だった。