東京マラソンの話からランナーズハイの話になった。
四人でお昼ご飯を食べていて、
二人はそれに近い状態を経験し、
二人は全くわからないといった。
無事に終わったとされているけど
一時、心肺停止状態になったランナーが二人いたそうだ。
「マラソンを走る人の気がわからん」
「でもちょっとわかるかも」
一人は昔よく走っていた頃に「気持ちよくなった」と。
アドレナリンだかエンドルフィンだかが出たのか
確かに私も中学、高校の時の走り込みで
限界が過ぎたあとに急に体が軽くなり
どこまでも走れるような感覚になったことはあった。
でもあんまり気持ちはよくなかったかな。
泳いでいる時の方が気持ちよくなる、
というかトリップ状態にたまになった。
一番最初は小学校の時。
スイミングスクールでかなり泳がされたいた。
苦しくて苦しくてもうコーチに許してもらおうと思って
あと一本、最後に一本とターンを繰り返しているうちに、
ふっと息苦しさがなくなり、軽くなった。
「快感」という言葉をはじめて体感した、と思った。
気がついたらなんか映像をみている感じになって、
ちょっと長い考え事をしているような、
夢を見ているような状態になる。
だいたいその時みる映像というかシーンは同じなんだけど。
そうなったらすごく体は楽に泳げる。
自分の体が気持ちよくなる。
スイマーズハイってことなのか・・・。
中学の時にはじめて「デッドポイント」と「セカンドウインド」の話を聞いた。
「もうあかん、と思ったあとのセカンドウインドを体験してみたいと思わんか~?」
と体育教師であり部活の顧問だった先生が言った
その「セカンドウインド」の響きがなんとも魅力に感じた。
中学、高校と部活はバレーボール。
一度だけバレーボールで自分の体ではない状態を体験したことがある。
5分ワンマンでコートの中を前に後ろ、右に左と走らされ、
時間を過ぎてもラスト三本がセッターにきれいに返せずに
10分以上もコートに一人。
もう一歩も動けない状態でボールを投げつけられコートに倒れてしまった。
ばこばこ体にボールを打たれた時に、
ふっと体が浮き上がって、ありえんところに打ちこまれたラスト3本を
きれいにセッター返せたときの感覚は忘れられない。
びっくりするぐらい体が軽くて、ボールの行き先がよく見えた。
スローモーションもようだった。そのあと気絶して運ばれたけど。
顧問の先生も「取れるとは思わなかった」と言ってちょっとだけ褒めてくれ
チームメイトは「なんかのりうつってたで」といって笑った。
まあ、単に倒れた瞬間に一息ついったってことだけか・・・
でもその時には「これがセカンドウインドか」とか思ってちょっと嬉しかった。
先生は「セカンドウインド」の話と一緒に
強くなるためのトレーニング法を教えてくれた。
「もう限界と思ってからあと二回やりきれ」
それから腹筋や腕立てなら限界と思ってからプラス二回。
ランニングはもう限界と思ってからあと電柱二本。
最近はなんでもすぐに「限界」を認めてあっさりお手上げするけど、
たまに「限界と思ってからあと二回」の言葉を思いだす。
あと一回はできても二回目をやりきるの苦しさも。
またデッドポイントとセカンドウインドを味わってみたい今日この頃。
たまに山登りで味わっている気もするけど。
・・・なんか一所懸命にやってないってことなのかな?とも思う。