いつの頃からか島に興味があって、
旅行先に島を選んだり、
行くあてもなく船便を調べたり・・・。
島出身の友だちや先生の話を聞くのが好きだった。
島に住みたい、と強烈に憧れた時もある。
今はどちらかといえば、島に生まれたかった、
という気持ちになる・・・時がある。
理由はよくわかんないけど。
学生時代は、それぞれの島のくらしや祭り、
教育や遊びや独特のしきたりとか生き物とか・・・
「離れている」けど「往来がある」という
とても微妙な距離感が生む何かにひかれた。
今いちばん興味があるのは島の名前とその由来。
神話や伝説にちなんだ由来は多い。
瀬戸内にある小さな島々では、
ほぼそのままの名前で記紀の中に残されている島も少なくない。
こんなところのこんな小さな島までもが・・・と驚く。
その時代だったからこその、
大陸や半島への船旅の中でぼ島の存在の大きさ、
人間の移動や情報の伝達が持つ重み、
そんなことに改めてふと気が留まる。
外海に出てみれば、聞きなれない音を持つ島が多い。
北や南に遠く離れた「日本」の島、
その名の「音」の語源をたどってみる。
国や民族の歴史をおもうこともあれば、
海のシルクロードの道をつなげてみたり、
大陸からの人間の足跡を感じたり。
今の私が持つ言語で変換できない小さな島の名前に、
私の知らない時間や空間を想像する。
島の写真と地図を眺めながらのそんな時間が結構好きだ。
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●島の名前―日本編 中村 康夫 【写真・文】 東京書籍