星野ジャパン、すごかった。
韓国も強かった。
久しぶりに手を握りしめて正座して野球をみた。
特に八回裏の岩瀬投手のふんばる姿にじんときた。
いっぱい書きたい気持ちがあるけれど、ちょっとセーブ。
きっと今日の星野ジャパンの健闘は多くの人が称えると思うから
他の人たちに任せることにする。
じつは集中してみたのは八回から。
それまで植田ジャパンも同時に応援していた。
植田ジャパンってなんやねん、という人も多いけど、
男子バレーも今夜はW杯最終戦。
負けに負けて、もう今大会での北京切符はない。
正直男子バレーにはあまり興味はなかったけれど、
今大会を「最後の挑戦」と決めている同年代の荻野選手が
若い頃よりパワーを増して気を吐いていたので少し見ていた。
今日は最終戦、しかも王者ブラジル相手にどんな試合をするのだろう、と。
あれよあれとと良い流れで1セット目をとったのでびっくり。
星野ジャパンとともに植田ジャパンにも時々チャンネルを回していた。
2、3セットと実力通りの試合展開で落としていたけれど、
4セット目に非常に珍しいことが起きた。
私自身、中学からバレーを細々とずっと続けているけれど
こんなミスもルールの存在も知らなかった。
4セット目、私が追加点を狙う星野ジャパンに気持ちを奪われているあいだ
植田ジャパンも7対2とブラジルを離していた、らしい。
ブラジル相手に連続ポイントを奪うことの難しさを考えれば、
ほんとにほんとに宝物のような点差だ。
私がチャンネルを替えたとき、植田監督が本部席に呼ばれており
電光掲示板がゼロに戻される瞬間だった。
4セット開始前に提出していたメンバー表とコートに入ったメンバーが違ったのだ。
こんなミスも珍しいことであれば、この段階になるまで気がつかなかったというもの異例。
そしてそのペナルティとして現時点の全得点の7点が抹消された。
7点が、というより5点というバレーでは勝敗を決めるといわれる宝物のような点差が
奪われて、プラス相手チームに1点追加、反対に3点の点差をつけられた。
会場内が騒然となる中で、植田ジャパンは続けて2本サーブレシーブをはじき、
ボロボロと崩れてとりあえずタイムアウト。
私は見るのがつらくなって追加点をとっていた星野ジャパンに集中することに。
と、思ったけれどCM中にチャンネルをまた動かすと
「ゴッツ」こと石島選手が気迫の一枚ブロックを決め流れを変えた。
続けておっそろしい高さと速さのブラジルからブロックポイント。
そして越川選手のこれまた渾身のスパイクサーブで連続ポイント。
5連続ポイントで一気にブラジルコートを崩した。
結局は大差で負けてしまったけれど、
ラスト10分間の植田ジャパンの戦いぶりに正直驚いてしまった。
7点から0点へと電光掲示板が戻される嘘のような瞬間。
状況が把握できないまま崩れて一瞬にして5点差が相手側のものに。
選手たちは完全に気持ちが切れてしまったと思って私はチャンネルを変えたけど。
選手たちは必死でくらいついていたんだな。
どういう状況でのミスだったかわからないけれど、
監督やスタッフたちを恨むことなく、腐ることなく、
10年以上勝ったことのないチームを相手にくらいついてたんだな。
決して調子が悪いわけでないブラジル相手に、
あんなアクシデントのあとの絶望的な空気をよくここまで立て直して。
よくもう一度自分たちのコートに流れを持ってくることができたもんだ。
ゴッツと越川選手の思いがけない精神力に胸が熱くなった。
コートの中の若い選手たちの最後の一本まで諦めない姿と
コートの外で大きな声でムードをつくるベテランの荻野選手。
下位チームがこの試合勝てば金メダルとなるチーム相手に
集中力と気迫とチームワークでこんな内容のゲームができるのかと。
「こんな試合が何故できたのか、その意味を選手たちに考えて欲しい」
という放送席からの言葉聞こえてはいないだろうけど、
選手たちにはきっと一人ひとりいろんな形でもう届いていたと思う。
試合終了後のネット際で日本の選手と握手をする汗だくのブラジル選手が
なんともいい表情をしていたのが印象的だった。
今日の試合できっときっと植田ジャパンはもっと強くなると思う。
・・・ん~えらそうだな、私は。
星野ジャパンにもじんときたけど、植田ジャパンにもじんときた。