今夜は下弦の月。
半分の半分に切ったスイカみたいに
低い空、川の上に浮かんでた。
なんだか明るい夜でうっかり歩いてしまった。
JRの駅から山の上の家まで小1時間。
汗をかいては風に冷やされた。
真っ暗な学校。一階の廊下だけぼんやりと電気がついている。
防犯、ということらしい。私には余計に怖いんだけど・・・。
大きな霊園の横を通る時はさすがに緊張する。
団地の横の誰もいない公園、空き家が続く道。
ここから人間が不意に出てくるくらいなら
幽霊が出てくるほうがよっぽどましだ。
どこからかお風呂の音と匂いがしてちょっとホッとする。
やっと家が見えてきた。
夜の空にいわし雲。となりにカシオペア。
やっぱり明るい夜だなあ。
スイカの月もだいぶと上にのぼってきた。
タクシーで帰ると母親に叱られ、
夜中に歩いて帰ると父親に叱られる。
ちょうど12時。最終バスで帰ったことにする。
いい汗もいやな汗もいっぱいかいた。