月に1週間から10日ほど、ダブルワークをしていた。
2007年の2月からなので、4年と8か月ほど。
仕事帰りの18時から21時、土日は13時から21時、
些細なダブルワークだったけれど、すっかり生活の一部になっていた。
ダブルワーク期間はちょっと体をきつくなるので
「早く終われ~」とその時は思っていても、
この仕事自体が終わってしまうのは、とても寂しい。
自分が辞める、というのではなく、
その業務が終わってしまったというか。
といっても雇われ先を変えれば
同じ仕事はあるのだけれど・・・。
やっぱりこの環境での仕事が好きだったから。
仕事が楽しかったというよりは、
そこでの人との出会いや、関係が私には貴重だった。
すぐに学生時代の友だちと再会し、
ひと月違いで友だちも入ってきた。
さらに別の友だちも入ってきたし、
新しい友だちもできた。
「一万人の第九」に参加したことも
ずっと習いたくて躊躇していたバレエを始めたのも
このバイトでの出会いがきっかけだ。
私と同じようなダブルワークの人や、学生さん、
主婦の人や、シルバー派遣の方・・・
それぞれの人生の中でそれぞれの働き方をする
老若男女が集まる職場は私には刺激的だった。
「こんな年の取り方したい!」と思える人とも出会えたし、
毎日顔を合わすのではなく、一月ごとにちょっと顔を合わすことの
繰り返しで築かれる人間関係が面白く感じた。
社員の方ともいつの間にかいろんな話をするようになり、
一緒に韓国料理を食べに行ったり、クリスマスに餃子を食べたり、
宝塚歌劇を見に行ったり。
最後にバイト先近くの「きすけ」でうどんを食べて・・・。
今回のバイトが終わってもまだご縁を続くと思うので
会えなくなるわけではないけれど、
やっぱり寂しさを感じつつ、うどんをすすった。
思えば、勤務先の大学でその社員の方が
学生向けに配っていたビラを受け取ったのは始まりだった。
「学生じゃなくてもいいですか」と聞いたときに
「いいですよ~」と笑ってくれた印象が良かったので、
その5分後にビラに書かれた連絡先に電話をした。
ここでの仕事は、大量の件数を期間内にミスなく処理をする業務だった。
私は指示を受けてマニュアル通りに作業をするだけだったけれど、
どんどん作業が効率化されていき、進化していく様子が勉強になった。
ミスが許されない単純作業を多くの人を動かしてこなすのはとても難しいと思う。
私もいっぱいミスしちゃって迷惑かけてしまったけど。
ここでの社員さんやリーダーさんの仕事ぶりを見るのも好きだった。
山のような書類が、ああなってこうなって、またこうなってああなって山に戻されていく・・・
フロア一面の紙の山を最後に見ながら、感慨深く自分の最後の一日を終えた。
やっぱり寂しい。
・・・ああ、でも働かなきゃ。