二度目の慶州。
あまりに素晴らしいところだったので、また訪ねた。
昨年、安東 河回村と一緒に世界遺産に登録された
朝鮮王朝時代の両班のむら、良洞民俗村。
500年以上の伝統がある家屋が残る。
学問と教育の伝統、科挙の合格者の多さなど、
優れた人材を多く輩出した両班の村として名高いそうだ。
良洞村は李氏、孫氏で構成されており、それぞれが学校を持って
競いあっていたという話だ。ここで勉強していたのか。
中はひんやりと涼しい。
「蔵板閣」とある。蔵板(版木・紙型、それで印刷した書物)の閣なので
図書室みたいな部屋のよう。
大きな太極マークのようなものが門につけられている家がある。
これは、科挙に合格したらつけるらしい。
「我が家から科挙の合格者出しました」という印。
立派な瓦屋根の家の合間にある藁葺の小さな家。
ここでは今も人が暮らしている。
築400年の家でお昼ごはんをいただいた。
ここのご主人は韓国のトップクラスの大学を出て銀行員として働いていたそうだ。
40代ぐらいでこの生まれ育った村と家に戻り、今は詩人として活躍されているとのこと。
縁側でしずかに山を眺め、時々食事をする私たちに微笑んでくれた。
「納豆のようなお汁」と説明されたけれど、「発酵度合が強い豆腐の味噌汁」
といった感じで大変おいしかった。
魚も野菜もごはんもお水もすべておいしかった。
長い時間そこにある艶のある木の柱やテーブルから
なんだかオーラが出ているような、
気が発せられているような不思議な感じがした。
村も景色を眺めながら、蝉の声をききながら、
空け放しの入口から通る澄んだ風にあたりながら、
なんとも印象深い食事の時間になった。
ずっと青空が広がっていて、暑いんだけど風が気持ちよい。
観光客もたくさんきて賑やかなのに、静か。
村の佇まいが静謐、というか、なんというか・・・。
言葉は追いつかないけれど、慶州がさらに好きになった。